5.3 インターネット視聴率による効果測定

 インターネット広告の効果測定のアプローチとしては,サーバーセントリックとユーザーセントリックがある。サーバーセントリックは,サーバーのログを解析する方法だ。広告配信サーバーのログを解析する方法はアドセントリック,ウェブサーバーのログを解析する方法はサイトセントリックと呼ばれる。通常の広告掲載レポートはサーバーセントリックによって測定したデータだ。しかし,サーバーセントリックでは,プロキシーやブラウザーのキャッシュで処理されるリクエストを測定できない。また,性別や年齢といった属性も把握できない。それらの問題を解決するものとして注目されているのが,ユーザーセントリックによる測定だ。オーディエンス測定またはインターネット視聴率と呼ばれることもある。これは,調査会社がインターネット利用者のパネルを組織して,彼らのパソコンに測定プログラムをインストールすることにより視聴行動データを回収するというもの。ウェブページやバナー広告のインプレッション数はもちろん,ユニークオーディエンス数やその属性,接触回数や滞在時間などを把握できる。複数のウェブサイトやインターネット広告のパフォーマンスを同一基準で比較できる。

 アメリカにおけるオーディエンス測定サービスとしては,ネットレイティングスがエーシーニールセン(ACNielsen,http://www.acnielsen.com/)およびニールセンメディアリサーチ(Nielsen Media Research,http://www.nielsenmedia.com/)と提携して展開しているニールセンネットレイティングス(Nielsen//NetRatings,http://www.nielsen-netratings.com/)と,コムスコアが展開しているコムスコアメディアメトリックス(comScore Media Metrix)が挙げられる。

 日本におけるオーディエンス測定サービスの先駆けは,1999年にサービスを開始した日本リサーチセンター(http://www.nrc.co.jp/)のジャパンアクセスレイティングと,日経BP(http://www.nikkeibp.co.jp/)のインターネット視聴率センターだ。2000年にはエーシーニールセン・コーポレーション(http://www.acnielsen.co.jp/)とネットレイティングスによるニールセンネットレイティングス,ジュピターメディアメトリックス,ビデオリサーチネットコム(現在のビデオリサーチインタラクティブ)がサービスを開始した。指標のデファクトスタンダードをめぐる競争が激しくなると,ジュピターメディアメトリックスは2001年11月に営業を終了した。日経BPのサービスはビデオリサーチネットコムに統合された。日本リサーチセンターのサービスは2003年7月に終了した。現在はビデオリサーチインタラクティブとネットレイティングスがサービスを提供している。両社は運用の効率化を目指して2004年4月よりパネルを統合するとともに,測定プログラムをビデオリサーチインタラクティブが使用していたネットギャザーからネットレイティングスのインサイトに統一した。ビデオリサーチインタラクティブはパネルへのアンケートによる詳細な利用者属性ごとの分析,ネットレイティングスは職場利用者パネルや測定データの国際比較などに特長がある。

 これらのユーザーセントリックによる測定データからは,職場や学校からの視聴行動を把握できない(または正確に把握できない)。オランダのインターネット業界団体であるSTIR(Stichting Internet Reclame,http://www.stichtinginternetreclame.nl/)は,イントゥーマートGfK(Intomart GfK,http://www.intomartgfk.nl/)やネッドスタット(Nedstat,http://www.nedstat.com/)とともに,自宅内外の利用者属性を測定する仕組みを開発している。また,アクウォンティブのアトラスは,自社の広告配信サーバーのログとコムスコアのオーディエンス測定データを融合させてインターネット広告のリーチとフリークエンシーを分析するシステムを開発している。サーバーセントリックとユーザーセントリックの両者の測定データを融合させるアプローチは,それぞれの欠点を補完するものとしてARFも推奨している。

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