2.2 バナー広告

 もっとも一般的なインターネット広告の種類。バナー広告がインターネット広告と同義の言葉として使用されることも多い。バナーと省略されることもある。小さめのバナーはバッジやタイルと呼ばれることもある。バナー(banner)が横断幕を意味するとおり,多くのバナー広告は細長い帯状の画像でできている。バナーの露出方法としては,ひとつの広告枠にひとつの広告を貼り付ける方法と,ひとつの広告枠を複数の広告でローテーションさせる方法がある。出稿期間や出稿量が同じであれば,貼り付け型はローテーション型よりもフリークエンシーが高くなり,ローテーション型は貼り付け型よりもリーチが広くなる。

 バナー広告の形と大きさは,AAAAとANAにより組織されたCASIE(Coalition for Advertising Supported Information and Entertainment)およびIABによって,1996年12月に標準化された。左右468ピクセル×天地60ピクセルのフルバナーが一般的なサイズと定められた。2001年2月になると,バナー広告のさらなる効果を追求するために大型の7種類が標準に追加された。しかし,バナー広告のサイズの規格が14種類もあることによって,広告主や広告会社が混乱することもあった。テレビ広告は15秒(または30秒)の素材を制作すればよいのに対して,バナー広告は何種類もの異なるサイズの素材を制作しなければならないからだ。小さな広告がページに散乱することについては,媒体の編集者やデザイナーも困惑していた。そこでIABは2003年4月,ユニバーサルアドパッケージとして新サイズを含む4種類のサイズを推奨することにした。それまでもっとも一般的だったフルバナーに代わって,左右728ピクセル×天地90ピクセルのリーダーボードが推奨されることになった。EIAA(European Interactive Advertising Association,http://www.eiaa.net/)とIABヨーロッパ(IAB Europe,http://www.iabeurope.ws/)は同年10月,IABのユニバーサルアドパッケージの4サイズを含む6サイズをヨーロッパにおける標準とした。日本ではインターネット広告推進協議会がバナー広告のカテゴリー分類と推奨サイズを規定している。

 多くのバナー広告はGIFで制作されているが,さらに表現力の豊かなクリエイティブが可能なフラッシュの利用も増加傾向にある。マクロメディア(現在のアドビシステムズ,Adobe Systems,http://www.adobe.com/)は広告配信会社などとともに2001年からMFAA(Macromedia Flash Advertising Alliance,http://www.mfaa.org/)を結成して,フラッシュを活用した広告の標準手法の策定に取り組んだ。IABは2004年2月に制定したリッチメディア広告のガイドラインにおいて,GIFとフラッシュのそれぞれの容量を規定した。

IABによる推奨規格(IAB Interactive Marketing Units)
名称 サイズ
Medium Rectangle 300×250 IMU *
Square Pop-up 250×250 IMU
Vertical Rectangle 240×400 IMU
Large Rectangle 336×280 IMU
Rectangle 180×150 IMU *
Full Banner 468×60 IMU
Half Banner 234×60 IMU
Micro Button 88×31 IMU
Button 1 120×90 IMU
Button 2 120×60 IMU
Vertical Banner 120×240 IMU
Square Button 125×125 IMU
Leaderbord 728×90 IMU *
Wide Skyscraper 160×600 IMU *
Skyscraper 120×600 IMU
Half Page Ad 300×600 IMU

IABによる推奨規格(IAB Universal Ad Package)
名称 サイズ 容量 アニメーション
GIF/JPEG FLASH
Leaderboard 728×90 20KB 30KB 15秒まで
Medium Rectangle 300×250
Wide Skyscraper 160×600
Rectangle 180×150 15KB 20KB

インターネット広告推進協議会による推奨規格
大カテゴリー 中カテゴリー サイズ 容量
バナー広告 スモールバナー 224×33 10KB
レギュラーバナー 468×60 20KB
ラージバナー 728×90 30KB
バッジ広告 スモールバッジ 120×60 10KB
レギュラーバッジ 120×90 15KB
ラージバッジ 125×125 20KB
レクタングル広告 スモールレクタングル 200×200 30KB
レギュラーレクタングル 300×250 40KB
ラージレクタングル 336×280 50KB
スカイスクレーパー広告 レギュラースカイスクレーパー 120×600 30KB
ワイドスカイスクレーパー 160×600 40KB
ラージスカイスクレーパー 148×800 50KB

 バナー広告は,一般的にサイズや容量が大きいほど強いインパクトを期待できる。もちろん,広告効果は掲載ページやクリエイティブにも左右される。加えて,無視できないのは掲載位置による影響だ。ポインターインスティチュート(The Poynter Institute,http://www.poynter.org/)は2003年12月,デンバー大学エストローセンター(The Estlow Center at the University of Denver,http://estlowcenter.du.edu/)やアイツールズ(Eyetools,http://www.eyetools.com/)とともに視線を追跡する調査を実施して,ウェブページの上部や左側の広告,コンテンツから距離が離れていない広告が注目されやすいことを明らかにした。インターネット利用者はウェブページに対する視線を上部の左側から移動させるからだ。ウェブページをスクロールしないと表示されないような領域に掲載される広告は,採用を控えるべきだ。

 バナー広告はその画像のスペースの中でメッセージを伝えるだけでなく,クリックされると広告主のウェブサイトを表示する仕組みになっている。ランディングページと呼ばれるリンク先のページは,広告主サイトのトップページとするよりも広告する商品・サービスについてのページにするほうが好ましい。トップページのユーザビリティーによっては,訪問者を目的のページに誘導できず離脱させてしまうからだ。リンク先として適切なページがないときは,キャンペーン用のマイクロサイトを制作することも検討すべきだ。また,広告を掲載するウェブサイトやクリエイティブによってリンク先のコンテンツを変えると,訪問者の関心に沿ったコミュニケーションができる。

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