5.4 アンケートによる効果測定

 インターネット広告のインプレッション効果,すなわち広告に接触することによる意識の変化は,アンケートを実施しないと測定できない。インターネット広告推進協議会はインプレッション効果を,広告インパクト効果,ブランディング効果,態度変容効果に分類して定義している。広告インパクト効果とは広告の認知率やイメージ,ブランディング効果とは広告がブランドの評価に与えた影響,態度変容効果とは購買意向の変化などだ。

 インプレッション効果の測定方法としては,プレ/ポストによる測定と,コントロール/エクスポーズドによる測定がある。プレ/ポストは,広告出稿期間の前後にそれぞれ調査を実施して,両者の回答の差異を分析するものだ。この方法はテレビをはじめとするインターネット以外の広告効果測定でも一般的に採用される。しかし,事後調査の結果はすべてのメディアの影響を受けたものであり,インターネット広告の効果のみを浮き彫りにすることはできない。一方のコントロール/エクスポーズドは,広告に接触していないグループと広告に接触したグループの回答の差を分析するものだ。この方法はインターネット広告の効果を明確に測定できる。インターネット広告の効果測定を専門とするダイナミックロジックやマーケティングエボリューション(Marketing Evolution,http://www.marketingevolution.com/)は,この手法を支持している。ダイナミックロジックは同一手法の調査を積み重ねることによって,インプレッション効果のノーム値(基準値)を算出している。

ダイナミックロジックによるインプレッション効果測定結果のノーム値
GIF/JPEGによる
上昇ポイント数
リッチメディアによる
上昇ポイント数
映像・音声による
上昇ポイント数
広告認知 7.5 9.0 20.0
メッセージ連想 4.7 5.3 12.9
ブランド認知 3.3 4.0 9.6
ブランド好意 1.9 2.2 4.8
購買意向 1.6 1.9 4.0
(2005年第2四半期のデータ)

 また,調査対象者をリクルートする方法としては,調査会社のパネルなどから抽出する方法(クローズド型)と,広告を出稿した媒体でリクルートする方法(オープン型)がある。調査会社のパネルを利用すれば,広告のターゲットに合わせてサンプルを割り付けることができる。しかし大量な広告出稿がないと,広告接触者をパネルの中から確保できない。広告出稿が小規模なときは,出稿期間中にパネルに対して広告を露出する機会をつくるか,広告出稿媒体で調査対象者をリクルートしなければならない。広告出稿媒体でのリクルートは,サンプル数が予測しにくいうえ属性を割り付けられないなどの問題があるものの,現実的な手法だ。

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