2.6 モバイル広告

 電気通信事業者協会(http://www.tca.or.jp/)によると,携帯電話契約数は2007年12月に1億件を突破した。iモード,EZウェブ,ヤフー!ケータイの累計契約数は同月に87,283,200件となっている。携帯電話やPDAといった無線機器の画面向けのインターネット広告は,モバイル広告またはワイヤレス広告と呼ばれる。それらの端末は機種によってディスプレイの仕様が異なるため,広告メディアとして活用できるように広告規格の標準化が求められていた。アメリカのWAA(Wireless Advertising Association)とイギリスのWMA(Wireless Marketing Association)が合併して生まれたMMA(Mobile Marketing Association,http://www.mmaglobal.com/)は,モバイル広告の技術,ビジネス,クリエイティブ,効果測定,プライバシーなどについてガイドラインの策定などをしている。

 iモード,EZウェブ,ヤフー!ケータイにおける広告には,それぞれを専門に扱うメディアレップが存在している。ディーツーコミュニケーションズ(http://www.d2c.co.jp/)は,2000年6月にNTTドコモ(http://www.nttdocomo.co.jp/)が電通およびNTTアドと共同で立ち上げたiモードのメディアレップだ。同社はiモード向けのピクチャー広告の大きさとして,94サイズ(左右94ピクセル×天地26ピクセル),116サイズ(116×32),192サイズ(192×53)を規定している。複数の規格が必要なのは機種ごとの液晶パネルの解像度の差異に対応するためだ。広告をクリックしたときのレスポンス方法は,Web to(任意のiモードサイトへのリンク),Phone to(音声通話に切り替え,コールセンターへの接続),Mail to(メールブラウザーを起動,メール送信)のいずれかを指定する。同社が2000年7月から9月にかけて実施した調査によると,iモードにおける広告がクリックされる割合はピクチャー広告で平均3.6%,メール広告で平均24.3%だった。これらはパソコン向けの広告を上回る。その要因としては,携帯電話の広告はパソコンのそれと比較して画面に占める割合が高いうえ,カーソルが広告上を通過するため目立ちやすいこと,メールが着信するたびに音や振動が発生することなどが考えられる。携帯電話が隙間時間の暇つぶしツールとして利用されるように,利用シーンそのものがパソコンとは異なることも大きく影響していよう。

 また,メディーバ(http://www.mediba.jp/)は,2000年12月にKDDI(http://www.kddi.com/)が博報堂やアサツーディ・ケイ(http://www.adk.jp/),デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムなどとともに立ち上げたEZウェブのメディアレップだ(当時の社名はエイワンアドネット)。携帯電話の高精度位置情報サービスに注目して,位置情報に連動した広告配信サービスにも取り組んでいる。一方,ジャパン・モバイル・コミュニケーションズは,2001年7月にJ−フォン(その後のボーダフォン,ソフトバンクが買収)がサイバー・コミュニケーションズとともに立ち上げたJ−スカイ(ボーダフォンライブ!,ヤフー!ケータイと改称)のメディアレップだ。なお,ジャパン・モバイル・コミュニケーションズの事業は2008年3月よりソフトバンクモバイル(http://www.softbankmobile.co.jp/)に譲渡されている。

 ビデオリサーチインタラクティブが2007年1月に実施した調査をまとめた「ケータイ2007 edition」(http://www.videoi.co.jp/service/mobile/)によると,携帯電話・PHSを所有している12才から59才までの54%は,週に1回以上のインターネット機能を利用している。また,週に1回以上検索を行ったひとは31%だった。「ふだん利用するサイトジャンル」において「検索サイト」との回答は,前年調査では26%だったが46%にまで上昇。若年層ほど積極的に利用している。

 モバイル広告はインターネット広告市場の中でも成長率が高く,将来が期待されている。電通の「日本の広告費」によると,モバイル広告費は2009年に1,000億円を突破した。携帯電話のパケット定額制サービスがさらに普及すれば,インターネット機能の利用頻度が高まってモバイル広告の価値はさらに向上するだろう。2006年10月にナンバーポータビリティー制度が開始されたことを商機ととらえて,ヤフーをはじめとするポータルサイトもモバイルサイトを強化している。モバイルリスティング広告と呼ばれる,携帯向けの検索連動型広告にも注目したい。モバイルリスティング広告は,2004年8月にサーチテリア(http://www.searchteria.co.jp/)が開始してから,オーバーチュア(ヤフーが吸収合併),ジェイ・リスティング,シーエー・モバイル(http://www.camobile.com/)などが次々に参入している。市場としてはまだ小さいが,覇権を握るための競い合いが激化している。

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